単発仕事に悩む起業家が知っておきたい「おみやげ」仕事術
「頼まれた作業を一生懸命こなしているのに、単発の仕事ばかりで次につながらない……」
起業初期に、そんな悩みを抱えていませんか?
今回のセミナーでは、一つの仕事から複数の成果を生み出し、選ばれる起業家になるための「再現性の高い仕事術」を学ぶ機会となりました。この記事では、実際のセミナーの様子と、単発の仕事を次につなげるための「おみやげ(付加価値)」の残し方をご紹介します。
本セミナーは、幕張ビジネスポート統括マネージャーの斎藤陽子氏を講師に迎え、「単発で終わらせない仕事術 ~“おみやげ”を最大化し、選ばれる存在へ〜」をテーマに開催されました。ビジネスポート事業の先頭に20年立ち続けてきた斎藤氏が、起業直後にぶつかりやすい「頼まれた作業だけをしてしまう」「次につながらない」という壁をどう乗り越えるか、具体的な事例を交えてお話しくださいました。
私自身、ライターとして活動する中で、納品して終わりの単発案件よりも、「またお願いします」とリピートでご依頼いただけた時の喜びは格別です。だからこそ、今回の「次につなげる仕事術」は非常に学びの多い内容でした。
「おみやげ」を残す1つの視点。対価以外の価値とは?
単発で終わらせないために最も重要なのは、相手にも自分にも「おみやげ(対価以外の価値)」を残すことです。なぜなら、頼まれた作業をただ納品するだけでなく、相手に「速さ」「工夫」「感動」を残すことで、それが「また頼みたい」という信頼に変わるからです。

例えば、フライヤー作成を依頼された場合、ただ作るだけでなく「こうした方が見やすいと思って」という工夫や、期待以上の速さで納品することで、相手の記憶に残る仕事になります。「斎藤さんじゃないといやだよね」「痒いところに手が届く」と言われるのは、こうした「おみやげ」を常に意識しているからだそうです。
同時に、自分自身にも「次回はもっと早くできる」という経験値や、新しい発想、スキルといった「おみやげ」が残ります。
「自分事化」でゴール逆算!選ばれる人の共通点
おみやげを残すための最大のコツは、仕事を「自分事化」し、相手のゴールから逆算して動くことです。
言われたことだけをやる「歯車」になるのではなく、「自分だったらどうしてほしいか」を考えることで、期待を超える提案ができるようになります。
斎藤氏が手がけた「低価格会議室」の事例は、グループ会社が管理するビルに「会議室を3つ作ってほしい」と依頼されたお話です。部屋は不規則な形で広く、レイアウトの難しい空間。そこで斎藤氏は、質が良く状態の良い中古家具を目利きで選び、新品と組み合わせることで、定価400万円相当のクオリティを80万円で実現しました。
さらに、用途に合わせてレイアウトを変えられるキャスター付きのテーブルを選んだり、定員6名の部屋に机と椅子を追加して8名まで対応できるようにしたりと、依頼された内容以上のフレキシブルさを持たせています。会議室運営の経験を活かし、フライヤーや利用規約、価格設定の提案まで行ったそうです。相手の本当のゴール(目的)を理解して動いた結果、大きな信頼と成果につながったといいます。

また、「郵便転送アプリ」の事例も印象的でした。
ビジネスポートでは、契約企業宛に届いた郵便物を一旦預かり、各社に転送する業務があります。しかし転送件数が週100件を超える中、対応できるのは内容を把握した一部のスタッフだけという属人化が起きており、誤送のリスクや、対応できる人を増やすたびに人件費が膨らむという課題を抱えていました。
斎藤氏は「これはまずい」と感じ、休日を使ってサイボウズ社のノーコードツール「kintone(キントーン)」で、会社名をひらがな検索するだけで担当者情報を呼び出し、郵便物の写真を撮ってそのままメール送付まで完結できるアプリを独自に開発。誰が対応してもミスなく、スピーディーに転送できる仕組みを作り上げました。
任された仕事の枠を超えて、根本の課題を「自分事」として捉え、解決に動く。この姿勢こそ、まさに「自分事化」の実践例だと言えます。
「何をやるか」ではなく「相手が本当に求めているゴールはどこか」を常に考え、自分事として取り組む姿勢が、選ばれる起業家への第一歩です。
失敗も「経験値」に。遊び心が信頼を生む理由
うまくいかなかった仕事も、すべて自分の「経験値」というおみやげに変わります。仕事を「目の前の課題をどうクリアするかのゲーム(遊び)」のように捉えることで、失敗しても改善策を考え、次に活かすことができるからです。
斎藤氏は常に「今日良かったことは何か?」を考え、自分を褒める習慣を持っているそうです。

一方で、客観的な視点で「自分を疑う」ことも忘れず、井の中の蛙にならないよう意識しています。印象的だったのは、「社長(レベル500)を見続けていたから自分の価値に気づかなかったけれど、外に出てみたら自分はレベル100だったと気づいた」というお話です。上を見続けることで謙虚さと成長が生まれ、失敗すらも次の成功のためのステップとして楽しむ姿勢が、長く選ばれ続ける秘訣だと学びました。
「やったことは絶対に無駄じゃない。時間と経験と発想とスキルは必ず残っている」という言葉に、大きな勇気をもらいました。
まとめ|仕事の価値は終わった後に何が残ったかで決まる
今回のセミナーを通して学んだのは、以下の3つのポイントです。
- 単発の仕事で終わらせないためには「おみやげ」を残すこと
- 相手のゴールを考えて「自分事化」すること
- 失敗も「経験値」として楽しむこと
仕事の価値は、終わった後に何が残ったかで決まります。相手に残る価値、自分に残る経験を見つけ、期待以上の仕事をすることが、単発の仕事を次につなげる一番の近道です。起業家として選ばれ続けるためには、こうした日々の小さな積み重ねが大切だと実感しました。
今回ご紹介した「女性起業家応援プロジェクト」を運営する幕張ビジネスポートの詳細は、公式サイトをご覧ください。
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